宮崎学園短期大学

学長ブログ

ステップを踏めば、咲かせられる花がある

2016.11.11

 人生の折り返し地点を過ぎて20年になる。上り坂から下り坂に変わり、できていたことができなくなる。ジョギングをして膝を痛め、「老化です。無理をしてはダメです」と医者から言われた。今年の夏から秋にかけて、無理をしたつもりはなかったが2回も肺炎を患った。そしてこの秋、2回も10日ほどの入院生活を送った。

 人が働いているときに、ベッドでごろごろしているのも申し訳がない。人間万事塞翁が馬、長編小説に挑戦してみようと思った。長編小説は私にとって、フルマラソンのイメージだ。どちらも未経験で、それなりの心づもりや体力(?)がなければ達成できない所が共通しているように思う。走る方は、散歩→早歩き→ジョギング→2キロとステップアップした所で、ドクターストップがかかった。

 新聞に夏休みの推薦図書として「読み始めて会社を休む羽目になった人がいる」と紹介されていた「大地」(パールバック、全4冊)を読み始めていた。すぐ挫折する気がして第1巻しか買っていなかったが、第2巻も買い求めて入院生活に入った。時間はあるし、中国農民の3代にわたる欲望と失敗の物語は飽きさせず、2日間読み続けた。そして残りの2冊を迷うことなく買い求め、読み終えた。沢山の気づきとともに読む体力が付いてきたのを感じる。次への挑戦意欲がわく。

 2回目の入院では、大作「カラマーゾフの兄弟」(ドストエフスキー、全5冊)に挑んだ。かなり難航した。人名が馴染めないのに加えて、壮大なテーマについて登場人物がやたら議論する。退院後まで引きずり、やっと読み終えた。沢山の発見がどっしりした充実感をもたらす。フルマラソンの達成感を想像する。

 高校生の時、クラスメイトが「カラマーゾフの兄弟」の話しをしていたのを思い出す。こんなに難しく、体力、集中力の要る本を、彼等は本当に読んでいたのだろうかと訝る気持ちも起こるが、自分の今、ここでの達成感に満足する。

 大願成就に必要なのはステップだと思う。やる気がなければそもそも始まらないが、挑むステップが「やってみたい・やればできそう」でなければ、続かない。そして努力が実を結べば、次の挑戦へ向かいたくなる。

 遅咲きに挑戦しよう。ステップを踏めば、咲かせられる花がある。  

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